心が折れかける夏 ~社会人学生が開き直るまで~

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鍼灸学校で一番つらかった時期はいつですか?と聞かれたら、私は「1年の夏」と答えます。

もちろん3年生の受験前も大変は大変なのですが、それは辛いというよりも大変。という感じ。

辛い。ヤバい。どうしよう。続かないかも。仕事変えなきゃダメかな。って毎日のように思っていたのが1年の夏でした。

学校にもよるのでしょうが。私の学校は毎日宿題が出ました。しかも提出期限は翌日。これは社会人学生にとってかなりの負担です。簡単なものでしたら5~10分で出来ることもあるのですが、そんなことはまれで場合によっては1時間以上かかることも。

普段はぐっする夢の中にいる時間に、まだお風呂も入れていない状態で一人机に向かうのは精神的にも辛く。なにより睡眠時間が短くなるので翌日にも響きます。翌日休みなら良いですが、社会人学生なので翌日も朝から仕事です。次の日の朝早く起きてやるとか仕事の休憩時間にやるという方法もありますが、早起きできる自信もなく休憩も不規則な仕事だったのでそれも難しい。

次の日に誰かに写させて貰おうかなという思いもよぎりましたが、「今の勉強は自分のため」という意思をもって入学した社会人学生の多いクラスでそれを言うのは恥ずかしい。正直何しに来てるの?って思われるかもしれない。(特にまだ皆モチベーションに溢れている時期だし)と思うと、もう自分で頑張るしかありませんでした。

月曜~金曜は会社・学校・宿題に追われ、とりあえず這いながらでも「出勤・出席・宿題提出」だけが目標になって「暗記」をするような余裕はなし。土日に少し勉強しないとテスト間に合わないと思いつつも元気が足りなくてなかなか進まない。なので毎日のように思うのです。

今のフルタイムの仕事続けながらって無理かも。 転職?諦める?

実際最初のテストの後、仕事を変えた方もいらっしゃいます。

特にSNSをみると100点を始め高得点を報告している鍼灸学生の方もいらっしゃって、めちゃくちゃ焦ります。

ただここで注意していただきたいのが、学校の試験の難易度は学校によってかなり違いがあるようです。なんなら学年によっても違うかも知れません。私の学校は学校の試験では赤点の方が多い人でも国家試験は合格できる。(学校の試験が難しめ)といわれていたので、学校の勉強ができれば国家試験はさほど困らない。でも日々の勉強が大変。という感じでした。普段が優しめで3年になって一気に巻き返すスタイルが良いのか、普段が厳しめのほうがいいのかもケースバイケースなので、どちらが良いとも言い切れません。私は3年の時に仕事がとても忙しくなってしまい受験勉強の時間がとれなかったのですが、普段の勉強の難易度が高かったため救われたタイプです。(結果論)

1年の6月~8月は本当に毎日のように「今のままの生活卒業まで続けられる?」と自問自答する日々が続きました。

またこの頃は実技の授業でクラスメイトへの鍼や施灸が入ってきて緊張したり、自分自身も施術された経験がほぼないので施術されてグッタリしてしまったり、勉強どころではないという日もあるので、もう本当に勉強時間の確保に頭を悩ませて焦りが募り、心が落ち着かないから時間が出来ても気持ちばかりが焦って勉強に身が入らない。という負のループに陥っていました。

8月に入ると、夏休みがあります。大学や1日に何コマもある学校に比べると短い(1日2コマしかないので休みが多いと指定のカリキュラムが消化できない)ものの2週間程度のまとまったお休みです。

夏休みになったら少し落ち着いて勉強できるね。遅れを取り戻そう

って思ってました。心の中で「こんなに勉強いるって思ってたらもうちょっと考えてた」ってブツクサいいながらも、自分で決めてお金も払ったことなので、出来る限りのことをしよう。とそこは前向きに。でも、1つ盲点だったことが……

学校休みでも、会社は休みじゃない。なんなら私の会社、お盆休みめっちゃ短い

いや、もう夏休み始まってビックリしました。自分の読みの甘さに。

仕事終わって勉強する気とかね、正直わかないんですよ。休み明けにテストもあったので、勉強しないわけにもいかなかったのですが、勉強道具片手にテレビみてゴロゴロしてしまうんですよ。暑いし。

仕事が休みの日はさすがに5~6時間勉強時間を確保!!って気合を入れてそれは何とか達成できたのですが、そもそも土日以外で会社が休みの日って3日くらい。1年生のこの時期に1日も遊ばない(もしくは1日中ぼーっとする)という事も諦められず。

社会人学生の夏休みって秒で終わるんだな。ってことを学んで1年の夏休みは終了しました。

ただ、この夏休みを経たことで、自分のダメっぷりを受け入れたのか、自分の中で何かが壊れ、開き直れるようになってきました。

具体的にどういうことかというと、

がんばれるだけ頑張って、それで赤点だったらそれで良い。その時考えよう

と心の底から思うようになりました。

もう、良い点とろうとか思わない。でもどうでもいいかって諦めもしない。仕事の両立も考えない。とりあえず仕事も学校も行く。ダメなら、その時考える。

そう思えるようになってからは、不必要な力みが消えて随分楽になったように思います。ただそう思えるようになるまで4か月以上かかっているので、この適応能力の遅さが加齢のせいなのか、仕事との両立というものの難しさだったのかはよく分かりません。

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