社会人になって学校へ行くとなった時の不安として、周りの人と仲良くなれるのか。また仲良くならないといけないのか。考えたことがある人は多いのではないでしょうか。特に専門知識を学びに行くわけですし、年齢や価値観の人と仲良くなることを意識する必要はないように思います。ただで忙しいのですから、人間関係に煩わされないためにも一定以上の距離を保っていたほうが楽なように思います。
実際3年間通って思ったこと。
正直、私が一番恵まれていたのはクラスの雰囲気だったかもしれません。
私の通っていたクラスは20歳前後~70歳前までというかなり幅広い年代があつまるクラスで、バックグラウンドも違えば考え方も違います。お互いどう接したら良いのか分からないように思えるような顔ぶれに思えたのですが、かえってそれが良かったようで。
かなり穏やかで協力的で明るい(というか変な人がいても、あぁそういう人もいるよねで流せる大人ばかりの)空気が入学当初から漂っていました。
先生方にも「このクラスの雰囲気は良いですね」と何度もお褒めの言葉を頂きました。というのも
らしいのです。鍼灸国家試験は個人戦だと思っていた私、「そんなことはないやろ~」と最初の数か月は思っていました。
が、割とすぐ(本当に1か月経つか経たないかの時点で)「このクラスで良かった!!!」と思うことが良くありました。
別にめちゃくちゃ面倒見のよい秀才がいるとか、実技が抜群に出来るのに謙虚で頼れる人がいるとかではなく(いないこともなかったですが)。ただただ、クラス全体の穏やかで懐の広さを感じさせてくれる空気のおかげで、
今日仕事めっちゃ疲れたけど、学校行けば皆いるし、
ちょっと会いたいから、頑張って学校行くか!
って思えたんですよね。
しんどいのは自分だけじゃない。自分より仕事が忙しい人も自分よりずっと年上の人も頑張ってる。一緒に頑張る。
めっちゃ青春やん!大人っていうか中年とか初老なのに!
って感じだったのですが、いやなんか本当に青春でした。
10代の青春みたいに学外でなんちゃらとか甘酸っぱいなんちゃらとかは、あんまりでしたが(そりゃそうか)。
皆で同じ目標に向かって頑張っていく。時には協力して。時にはライバルとして。
みたいな青春がありました。
でもこれって、1人1人が【他の人は関係ない。自分さえ良ければ良い。大人だし、それが普通でしょ】って思っていたら成り立たないことだったと思います。
クラスの雰囲気が良いから、お互い余裕がないときでも最低限の気遣いが出来る、余裕がないなりに思いあえる、共感しあえる。
勉強や実技が出来ない人がいてもバカにしたりはしない。自分のやるべきことを疎かにしない。困って声をあげた人を放り出さない。めっちゃ変な人もいたけどハブらない。必要以上に仲良くはならないけれどハブらない。必要に応じて助けるし声をかける。
そんなクラスでした。ある意味ではドライだったかも知れません。先生方他学年からも仲が良いと言われるクラスでしたが、お互いプライベートはほとんど知らないまま3年間。というか日々の勉強に追われて勉強や実技の話だけで短い休憩時間も終わるし。
それにね、鍼灸の実技って当たり前ですがお互いの体を触りあうわけですよ。
この人嫌い!って思っちゃうとかなり苦痛な時間ですよ。これ。
(そうは言いつつ、実技のペアになりたくない人いましたけど。でもその人のために実技やらないのとか癪だし。あとで他のクラスメイトに話聞いてもらったりも出来るから頑張れたけど。でもクラスの雰囲気悪くなるのは皆が嫌って思ってたから必要以上の悪口とかは言わない。仕方ないよね~とかで終わらせてた)
学校行きたくないな。楽しくないし。
って思ってしまうと、鍼灸学生生活は本当に辛いものになると思います。私も私の周りも「このクラスじゃなかったら3年間頑張れなかったかもしれない」って卒業の時に言い合いまくってました。それくらい人間関係(クラスの雰囲気)には助けられました。
仲よくしよう!と意識しすぎて必要以上にべたべたすり寄っていく必要はないですが、同じものを目指す仲間として、助け合う、思いやる気持ちがあると、自ずとクラス全体の成績も上がりやすくなるようです。
なので、少しだけ【感じの良い】学生を目指してみるのがおススメです。そもそも鍼灸師って接客業でもあるわけですし。人当たりの悪い鍼灸師のところに通いたい人は多くないと思います。この人になら自分も鍼灸してもらいたいな。ってクラスの人に思って貰えるような学生を目指すのも良いかもしれません。ちなみに今だから言えます。 当時はねぇ。周りが私より大人な方が多かったので助けられたことが沢山沢山あります。